未来につながる理想の英語教育

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幼児の学びを考える ー生活の習慣①ー

◆一言で言うと、『習うより慣れろ』 それではまず英語学習の話の前に習慣についてお付き合いください。 幼児の間は、将来の効率的な学習のための『習慣作り』が主になります。学習の前段階にいるということです。習慣とは大きく分けて「生活の習慣」と「思考の習慣」の2つに分けられます。そして生活習慣の第一歩となるのが持ち物の認識とその扱いです。ここでは幾つかの例を挙げてみましょう。

  • 片付けが苦手という子ども もしかしたら片付けが苦手というよりは、片付け用の入れ物(箱やカバン)が入れるものの大きさに対して、工夫を要するサイズだったり、大人でも難しいほどぴったりしたサイズのものだったのかもしれません。一見無駄な様ですが、扱いが楽な入れ物を用意し、慣れてきたら「さぁ、レベルを上げるよ!」と達成感を刺激して手先を使う力や工夫力を必要とする入れ物に替えていきましょう。
  • 身支度が苦手という子ども 服や靴はサイズが合わなかったり、素敵なデザインですがお子さんが一人で扱えないものもあるようです。最近ではマジックテープがついた靴は当たり前になってきました。

上記はいずれも「ひとりで出来る」が大前提です。生活習慣とは、ひとりで生きて行くのに必要な身の回りのことです。 また「可能な限り自分の荷物は自分で持つ」よう練習しましょう。この練習こそが忘れ物の防止につながります。忘れ物をしたら少し大袈裟に「え、忘れたの!」と重大事件のような反応をしてみましょう。『だってママが・・・』という言葉が口をついたら自立へのイエローカードです。 このように、幼児は自立への階段をのぼって行きます。それこそが幼児という時期です。英語に限らず、学びを積み重ねるという段階には早いと言えます。   ◆英語も習慣の一部にしてしまう そこで、英語も学習ではなく、習慣にしてしまいましょう。大人としては英語を習慣化した見返りに、ついつい知識の定着を期待してしまいますが、その焦りは禁物です。英語圏ではなく日本で日本語に圧倒的に囲まれる生活の中での英語学習は、昨日のニュース番組や友だちのお母さんとの何気ない会話くらいに簡単に消えていくものなのです。 英語教室に通わせて「英語好き」になって欲しいと大人は考えます。電車の名前くらい英語が好きなら習慣化は容易な気がします。しかし、興味がなくなったら英語に全く触れなくなってしまったりすることもあります。もっと長く、英語を嫌いにならないように配慮することが必要です。答えは1つ、忘れても落胆しない焦らないです。幼児の身の回りから何かを学ぶ時の仕組みは言うなれば「頭の中のものを一旦捨てて、新しいものが入るスペースを作る」です。忘れたからと言って英語に向いてない訳ではありませんし、覚えているからといって類稀なる才能が完全に開花したとも断言できません。忘れてもしからず、じっくり英語と付き合っていただきたいものです。   ◆どうせ忘れるなら、幼児期に学ぶのは無駄? 忘れることが前提にあると、今やっても無駄という考えも出てくるでしょう。しかし、日々の積み重ねで忘れないものもあります。それは英語の音をききとる耳の力と、その音を(個人差はありますが)ほぼ正確に発音できる力です。将来使わなくなれば筋力が落ちる程度には低下することはあっても、園児の時に発音できていた音が大人になって発音できなくなることは稀です。だからこそ園児の間に勧めたいのは、定期的な耳と口のトレーニングです。英語の音を聞き、それを口に出してみる。身近にその音を判断できる人がいて、微調整をしてくれる。そんな環境こそが英語に触れるにふさわしい習慣の場と言えるでしょう。 自宅では好きな絵本でもDVDでも構いません。英語に触れる⇒聞いた音を声に出す(アルファベットが分かるお子さんは、これに文字を足しても良いです)という流れが必要です。 使い易いのが歌です。時間やタイミングを決めて、英語の歌を移動中に聴いたり、ディズニーのDVDを見ても良いでしょう。内容が分からなくてもご本人が楽しんでいることが大前提ですが、更に望ましいのは大まかな内容がつかめていることです。とはいえ英訳のように一言一句日本語に訳されている必要はありません。日本語で楽しんだDVDを2回目は英語でみるというのも良いでしょう。歌は家族で一緒に歌ったり(カラオケもお勧めです)、映画は主人公になりきってセリフを言ってみるのも良いです。家族で役を割り振っても良いかもしれません。意識するのは耳と口を使う習慣です。思い立った時のみするのは、習慣作りの観点に反しており長い目でみた耳と口を鍛える練習には適しません。その日の体力次第で気持ちも移ろう年頃ではありますが、一週間の生活を振り返り、どのタイミングなら習慣化に適しているかを考えてみましょう。   ◆私の発音だと子供に悪影響を与えるのでは? 最後に、自宅で英語に触れる時の気がかりは、家族の発音がお子さんに与える影響です。 この時期のお子さんは耳がよく、DVDのきれいな発音、家族の発音、自分の発音など、全ての音を聞き分けられています。そのため、家族の発音を真似るよう強制しない限り、影響することはほぼありません。またお子さんなりに練習した音が誤ったものでも、差支えはありません。ご家庭では自分の発音は一切気にせず、英語を楽しむ習慣だけを日々積み重ねましょう。 幼児の間に数えきれないほどの成功体験・楽しい体験をしたお子さんは、伸びしろも無限大です。